離婚体験談 その2 セックスレス

離婚体験談

30代前半女性

2018年12月

私が離婚した一番の理由は、セックスレスでした。

セックスレスは、とても扱い難い問題ではありますが、離婚の裁判でも認められる事由です。

しかし、弁護士事務所のホームページの実例などでも、女性側が拒絶するケースはあるようですが、男性側に拒絶されるケースはほとんど見つけられませんでした。

私と元夫は、子供はいませんでしたが、同棲生活3年、結婚生活7年で、約10年間一緒に暮らしていました。

けれども、大変恥ずかしい悩みだと思い、周囲の友人にセックスレスについて相談することはできませんでした。

私の両親は遠方に住んでおり、もともと疎遠でしたが、年に数回連絡は取っていました。

しかし、結婚の際、両家の顔合わせで元夫の両親と元夫に暴言を吐き、それ以来、絶縁状態となっています。

離婚するにあたっても一切連絡せず、現在も離婚の事実を知りません。

そういった経緯で、離婚の際、両親に相談したり、援助を求めたりすることができませんでした。

交際してすぐに同棲を始めた私達ですが、すぐにセックスレスになりました。

誰にも相談できなかったので、本やインターネットの記事で、改善策を探しました。

産婦人科医の観点から書かれた情報や、アロマオイルや食に関することまで、あらゆることを実行しました。

しかし、元夫からは邪険に扱われ、話し合いをしてもはぐらかされる日々でした。

それどころか、元夫は風俗を利用しているようで、風俗のポイントカードや割引券を隠すことなく放置していることもありました。

女性にしては、性欲が強いと言われるかもしれません。

ただ、一番感じていたことは「私は女として見られていない、私には女としての価値がない」ということでした。

周りの友人が妊娠するたび、電車で赤ちゃんを抱えたお母さんを見るたび、自分の女としての価値の無さを突き付けられているようでした。

大変辛い思いをしましたが、私がパートタイマーであることにもかかわらず、どこからも支援を受けられないことを考えると、別れるという選択肢は全く頭にありませんでした。

そんな時、インターネットで、あいのりの桃さんが離婚したというニュースを見ました。

離婚理由はセックスレス。

女性でありながら、それまでの経緯や気持ちを正直に吐露したブログを見て、涙が止まりませんでした。

また彼女のブログに多くの女性からコメントが寄せられており、賛否はあるものの同じような悩みを抱える女性がたくさんいたことを知りました。

「私はここにいたら一生女性として価値がないままだ、けれども1%でも可能性があるなら、離婚して新たな出会いを探してみたい」

私の思いは一瞬で変わりました。

それから半年間、離婚の準備をしました。

一番のネックだと思っていたのは、住居でした。

両親と絶縁状態の私には保証人が立てられないのです。

しかし実際に不動産会社を訪れてみると、保証人なし物件は多数ありました。

それどころか、今は保証人が高齢になったり、認知症でコミュニケーションが取れないケースがあり、保証会社を利用するオーナーさんも増えているとのことでした。

保証人は不要でしたが、1名緊急連絡先の記載を求められました。

こちらは保証の義務は一切ありませんが、家屋の火災などの時、本人と連絡が取れなかった場合、連絡がいくということでした。

個人情報を記載するため、頼みづらくはありましたが、私は仲の良い勤務先の上司に書いてもらうことができました。

次に問題だったのは費用面でした。

引っ越し、住居の初期費用、新居での家具や電化製品などです。

浪費癖のある私は、預金はゼロで、一から貯めることになりました。

勤務先では、早朝勤務や残業、休日出勤もすすんで引き受けました。

友人からの食事の誘いも、事が終わるまでは断り、携帯の料金プランを見直すなどして出費を最小限に抑えました。

また私物を売却し、荷物の整理と同時に費用の僅かな足しにすることもしました。

その甲斐あって、半年間で30万円を貯め、離婚する準備が整いました。

離婚についての話し合いは拗れた時のことを考え、入居も引っ越しも手続きを済ませた後にしました。

納得してもらえなかった場合は調停を起こす覚悟もありました。

離婚届も夫の欄以外全て記入し、調停で使用する現状説明の雛型も作成し、離婚の意思が固いことを示そうと思いました。

話し合いは元夫の「勝手すぎる」「急に言われても困る」の一点張りでした。

しかし、私の固い意志と、風俗通いを指摘されたことで、即日同意しました。

ところが、元夫はご両親に、すぐに離婚の事実を話す勇気がなかったのか、離婚届の証人としてご両親の名前を書くことを拒否されました。

これに関しては、元夫のご両親が立て続けに大病をした直後であり、精神的負担が大きいかもしれないと思い、不本意ながら強くは言えませんでした。

友人に頼むこともできましたが、さすがに離婚届を友人の前で見せることには抵抗がありました。

そこで、行政書士事務所の証人代行サービスを利用することにしました。

郵送で対応してもらいましたが、速達を利用して3日で手元に届き、料金も2名分で8000円前後でした。

こうして引っ越しの日までにすべての手続きを終わらせ、無事に離婚届を提出しました。

書類やその他の不備もなく、離婚後は一切、元夫と連絡を取っていません。

離婚後は、しばらく独身生活を満喫しようと思っていましたが、運よくすぐにご縁があり、交際がスタートしました。

現在は同棲生活を送っていますが、彼と生活していく中で、元夫からモラハラを受けていたことに気付きました。

私がいるときは、真夏でも真冬でも、電気代がもったいないと空調をつけてもらえなかったこと。

男性の使う玩具などを見えるところに平気で置いていること。

共働きでも家事をしてくれたことはなく、分担を申し出ても、ふざけるなと一喝されるため諦めていたこと。

悲しい思いをしていましたが、私にとってはそれが当たり前になっていました。

しかし、その時点で十分な離婚事由になっていたのです。

私は、10年も我慢してしまったことを後悔しています。

今考えると、私に離婚という選択肢がなかった一番の原因は、やはり周囲の援助がないことでした。

また、女性でありながら、セックスレスという理由で離婚することが、とても恥ずかしいことだと思っていました。

しかし例え周囲の援助がなくても、離婚は可能です。

そして、離婚の理由は、話し合っても解決できない夫への不満、それだけで十分だったのです。

離婚は簡単にいくことばかりではありませんが、決して不可能ではありません。

どんな状況でも、自分の女性としての幸せを勝手に諦めてしまうことは、本当にもったいないことだと思います。

もし、自分には離婚は無理だと思いとどまっている女性の方がいたら、離婚は必ず可能だとお伝えしたいです。

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